厚生労働省は先月、働く高齢者の年金を減らす在職老齢年金制度の見直し案を審議会に示しました。
今は、65歳以上で47万円を超える月収(60~64歳の場合は現在月28万円)がある人は、
支給を受ける年金は減りますが、その基準の月収を62万円に引き上げて対象者を減らそうとしています。
制度の見直しを進める理由ですが、
1. 現在この金額の上限があることにより、働けば働くほど年金が減る仕組みになっており
高齢者の就労を抑えることになっている。
2.高齢で働く人が増えれば、年金や医療の保険料を納める社会保障の担い手も増えることになる。
などの理由によっています。
仮に現在の在職老齢年金を見直すことになれば、減額されている給付金は、
18年度で9,000億円もあり、現役世代の給付水準が下がってしまうことになり、
世代間のバランスが崩れるという指摘もあります。
また、そもそも厚生年金の役割とは、『稼得能力を失った時の社会保険』という面があり、
給与面で恵まれている高齢者を優遇する必要があるのかという点も指摘されています。
今回の改正は、一個人の問題だけでなく、人材不足といわれている中小企業にとっても
『高齢者の働き方改革』について、考える時がきているのではないでしょうか?