企業の休業手当を支援する雇用調整助成金(注1)について、国は新型コロナウイルス禍で支給限度額を引き上げた特例措置を2023年1月末で終えることになりそうです。
(注1)企業が従業員に支払う休業手当の費用を補助する制度で、
事業縮小を余儀なくされた企業が雇用の維持に活用するもの。
雇調金の通常の上限は一人一日あたり8,355円ですが、コロナ禍で段階的に拡充して最大15,000円になっていました。これを段階的に12,000円、9,000円とし、2023年2月以降は従来の8,355円に戻す方向で考えられています。
雇調金の20年度21年度22年度(10月中旬まで)の累計額は6兆円を超え、コロナ前の年支給額を大幅に上回っており、財源問題にもなってきています。
その為10月から雇用保険の料率も労働者は0.3%から0.5%に、事業主は0.65%から0.85%に引き上げられました。
とりあえず来年3月までとなっておりますが、負担増になることは確実です。 雇調金の問題は中小企業にとって大きな問題です。
コロナ禍で業績の落ち込みを雇調金や補助金・一時金でなんとか経営を維持してきた中小企業にとっては死活問題になります。
社員に従来通りの給料が払えなくなれば当然社員は辞めていきます。そして、新規に社員やパートなどを採用をしようとしても最低賃金のupもあり十分な賃金額を提示することが厳しくなります。その結果一人も採用出来ず、人員不足が経営を圧迫する悪循環に落ち込んでしまいます。
2023年度からは、コロナ借入金の返済や利息の支払いが始まる企業もあります。
助成金、補助金やコロナによる優遇制度に頼らない経営に早急にギアチェンジをしていかなければいけないのではないでしょうか?